診療案内の目次へ
尿失禁について

 ふだん私たちは、無意識に尿を膀胱にためて、したい時に排尿していますが、このふたつの動作がかみ合わずに、自分の意志と関係なく漏れてしまうことを尿失禁といいます。尿失禁は生命にかかわる病気ではありませんが、衛生面や精神的な苦痛から日常生活や社会生活にも影響を及ぼします。とくにお年寄りや主婦は、恥ずかしさのために誰にも相談できないでいる人が多く、また相談しても「年のせい」として片づけられてしまい、このために一人で悩み、楽しいくらしが送れなくなることもあります。

 また、治りにくい病気という先入観から最初からあきらめている人もいらっしゃいますが、治療によってよくなることで、苦痛が取れ、生活範囲が広がり、いきいきとしたくらしを取り戻すことができます。

 改善策としては、「勇気を出して医師に相談してみる」ことが最も大切です。わが国では、症状を持っている人の大部分が医療機関を訪れず、実際に治療を受けている人は極めて少ないといわれています。尿失禁は、その原因によって特徴的な症状があらわれ治療法も異なってきますので、症状を聞かせていただくことが治療の第一歩となります。

 高齢の人では、尿意をもよおしてトイレに行くまでに間に合わずに漏れてしまう切迫性尿失禁が多くみられます。このような尿失禁は、膀胱が自分の意志よりも早めに活動して排尿体勢に入ってしまうために起こりますが、くすりがよく効きます。また、お年寄りで、動作が遅いためにトイレまで間に合わないときは、トイレの場所など排尿の環境を考えてあげることも重要です。

 重いものを持ち上げた時やくしゃみをした時に漏れてしまう腹圧性尿失禁は、中年以降の女性に多い症状です。膀胱の下垂が原因といわれていますので、尿道の出口を強くする運動やくすりが用いられ、効果が不十分なときには比較的簡単な手術が行われます。このタイプの尿失禁も、治療することにより劇的に改善することも可能です。

 高齢者の尿失禁では、多くの原因が絡み合っていることが多く、じっくりとひとつひとつの問題を解決していくことが大切です。

 尿失禁は多くの人が悩んでいる症状で、完全に治ることも可能です。恥ずかしい、どうせ治らないという気持ちを忘れて、泌尿器科を受診されることをおすすめします。

産経新聞 平成17年(2005年)2月8日火曜日 「家庭と健康」欄




禁無断転載 Copyright © Kohnami Clinic. All rights reserved.

こうなみクリニック 泌尿器科・皮膚科・外科
〒520-0104 滋賀県大津市比叡辻2丁目7-10
JR湖西線 比叡山坂本駅より徒歩12分 湖西道路坂本北ICよりすぐ

湖西 湖北 西大津 唐崎 雄琴 堅田 志賀 近江舞子 近江高島 安曇川 朽木 新旭 近江今津 マキノ